2007年11月

退任の挨拶

前会長  絹巻 康史 (拓殖大学)

錦秋の11月17日(土)、日本大学法学部における第10回会員総会にて、会長の任を解かれ、そして富澤敏勝氏が新会長に選任されました。今後は、新会長を中心に学会の一層の発展を期待しております。この機会に、今までの事跡を振り返り、私の退任の挨拶にいたしたいと存じます。

本年は学会が発足して10周年の節目の年に当たります。突然の登板で御苦労を重ねられた椿弘次氏の後を継ぎ、私が3年間学会のお世話をして参りました。この3年間は実にいろいろなことがありました。先ず、特筆すべきは、学会の財務が健全化したことです。これはひとえに学会員の皆さんのご理解とご協力の成果であり、そして賛助会員による温かいご支援の賜物です。篤く御礼申し上げます。その結果として、下記しましたような新規事業を開催することが出来ました。

発効後20年近くになるウィーン売買条約(CISG)に、愈々日本も加盟する機運が到来し、この機会に「CISGのシンポジューム」を大阪と東京で本年開催しました。合わせて400人近くの参加者をお迎することができ、学会活動の社会還元の意義ある一環でした。

引続き新規事業として、「国際(学術)交流」と「学生のための模擬仲裁」のイベントが計画されており、担当の委員が目下成案を得るべく検討中です。いずれも2008年中に実施される予定です。

学会の研究紀要である『国際商取引学会年報』に、論文の査読(レフリー)制度をとりいれました。さらに、『年報』をレクシスネクシス社から出版し、書店での市販を可能にしました。お蔭さまで、学術刊行物としては、まずまずの売行きとの報告を受けております。

次に、学会の役員(理事)の選出に関し、理事(21名)の三分の一(7名)を投票で選出する選挙制度を取入れ、早速第10回会員総会から実施いたしました。そして、本学会の特色である「法学」と「商学」による学際性(融合)を正当に引継ぐために、三分の二にあたる14名の理事は、理事会が推薦する候補から選ばれることも申し添えておきます。

上記のように3年間にしては、実に多くのことが実施され、また検討されていることは、理事・幹事はじめ学会員の皆さんの献身的なご努力の成果であり、正に本学会が機能し発展していることの証です。このような清々しい思いを持って、退任できることは望外の幸せです。退任に際して、顧問へのご推奨を受け嬉しく思っております。今後は、一会員として、暫く中断を余儀なくされた研究活動に復帰いたしたいと念じております。

有難うございました。

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