2004年10月

会長就任のご挨拶

会長  絹巻 康史 (拓殖大学)

平成16年10月23日(土)は、会員の皆様にとっても暫く忘れることがないであろう日となりました。広島修道大学での全国大会第一日目が無事に終了したその時に、新潟中越地方を震度7の地震が襲いました。

そして、その日は、国際商取引学会のお世話をする役を不肖私がおおせ仕る日にもなりました。これまた私にとりましては、激震でありました。

顧みれば、1998年秋に呱々の産声をあげました国際商取引学会は、これから7年目に入ります。今手元に「国際商取引学会設立趣意書」があります。設立の目的として「貿易から海外事業を含む領域の商学体系および国際取引ルールに関連する法学体系などをいかに刷新的に結びつけ、日本企業の国際取引論を確立させること・・・今後における若手研究者の育成をも図り・・・」とあります。読み返してみて、今も新鮮味のある意欲的な取組であります。これこそこの学会に、そしてあらためて私に課せられた課題であると肝に命じております。

言い換えれば、国際ビジネスの商的(経済的)合理性と法的正義の一体的な把握に努め、ボーダレスなビジネスに裨益することができる学際的な学会にせよとの要請であると、言えましょう。

さて、上記の目標を実現するために日本全国の大学や研究機関、企業に呼びかけを行い、質を維持しながら当面は会員数300人オーバーを目指してゆきたいと念じております。会員の皆様方のご協力のほど宜しくお願いいたします。

また、全国大会のみならず、東西両部会においても多くの方々の研究発表を期待しております。そこでは世界大での学問の潮流に遅れをとらず、しかも社会のニーズに応えるテーマの選定がなされなければなりません。学会である以上、研究発表が全てに勝る原点であります。真摯なコメンテーターからの問題提起、活発なフロアーとの質疑応答など、当たり前のように見えても常に心しておく研究態度であろうと思います。

会員の皆様方の積極的な参加をお願いいたします。

会長就任の挨拶とさせていただきます。

2004年10月