会則

本学会は、本邦で初の法学と商学の架け橋となる学際的な学会として1998年に設立しました。

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【国際商取引学会設立趣意書】

1998年2月1日

昨今の世界経済体制は全体として市場経済の下に、一体化する方向へ動き始め、グローパル・スタンタードによる新しい国際経済秩序に基づき、世界の通商システムが胎動し始めている。国際貿易にかかわるGATTは、1995年1月1日からWTOとして発足し、サービス貿易・直接投資・知的所有権等がモノ貿易分野に加った.しかも、WTOでは紛争手続きが以前よりも合理化されたというものの、WTOのTPRM(貿易政熊審査メカニズム)のレポートによれば、アメリカの通商法301条や反タンピンク法、EUの反タンピンク法等の地域主義が依然として残存し、他方で日本は非関税障壁が多いと批判され、クローバリズムと地域主義の行動は衝突・整合性の間座点が指摘できる.

すなわち、現在の日本多国籍企業の行動は利潤の追求を目的として国境を越え、伝統的な輸出入取引から、ライセンシング・直接投資・金融取引等の国際取引に発展した.その業務形態は初期の段階では外国における代理店・販売店を活用し、そして現地により根付いた駐在員事務所・支店・現地法人等の事業拠点の設置を展開することにより、事業活動のクローバル化を図っている.また、通常の取引形態とは異なるプラント輸出契約、投資を伴うBOT契約、資源開発契約等も存在し、これらは今や日常的取引に進展しているが、既存の貿易商務や国内取引を前提とした契約法の概念では、統一的に対応しえなくなってきている。日本企業がこのような国際取引等を海外で展開する場合、現地における政治・経済・法律・社会・文化などのあらゆる分野の異質性に遭遇する.

このような国際取引は、法律的観点からすれば一国を超えて行われる国際間の取引関係、または、国境を越えて行われる取引を規律する商慣習、法律、および条約等の抵触の集合であるということができる.また、これは当事者の所属する国家の公法や私法等の関係法令、商慣習、さらには政治、経済、文化等を基本としつつ、二国間、もしくは多国間において締結される取引にかかわる条約や国際法規等のすべてに関係するものである.

すなわち、私的取引関係において国家が行う許認可等を通じて、相手国との関係が意識され、自己の所属する国家と受入国との関係が、企業の取引に大きな影響を与えるのである。他方で、国家が取引に介入する態様は、外交的関係によって決定されることが多く、国家という存在を無視することにより私的取引が行われることはない.ただし、常に国家的見地に立ったナショナリズムと国家単位秩序を越えたクローバリズムは利害的に相互に衝突し合うのである.

国際取引法といわれる法秩序体系自体がまだなお確立されていないし、現状では法体系の定立に実務のほうが先行するような状祝である.このような現状に鑑み、国際取引の研究は、現実に行われている国際取引の性格を見極め、国際取引社会が目指す市場原理に沿った正当性を有するグローバルなルールとは何かを、探究するものである。

本学会は、上記のような要請に基づき、国際取引実態の変容の把捉とそれにマッチした新たな国際取引の概念構築を目指して、貿易から海外事業を含む領域の商学体系および国際取引ルールに関連する法学体系などをいかに刷新的に桔びつけ、日本企業の国際取引論を確立させることを目的とする.そして、究極的にはクローバル・スタンタードいったものに定着させる必要があろう.このため、本学会は、規制壌和を契機として旧来の官僚主義的考え方を極力排除し、今後における若手研究者の育成をも図り、さらにわが国の伝統的国際商取引の商学・法学等を中心として多面的・学際的、かつ、国際的に発展させるかに努める.

これについて、多くの研究領域の方々のご賛同とご参加が得られれば幸いである.

以上

国際商取引学会設立発起人会一同